上田慎一郎『カメラを止めるな!』②

上田慎一郎『カメラを止めるな!』 20180902②.mp3 2018年9月2日定例読書会録音。『カメラを止めるな!』の二回目でございます。「この映画は二度始まる」という触れ込みの本作品ですが、今回は作品序盤のホラー映画部分に関する言及、そしてこの作品に出演する登場人物に焦点をあてて語っております。改めて語ってみると、最初にホラーを流すというこの映画の大胆な構成や個性あふれる役者陣に彩られた作品であることを実感します。 ※途中、携帯電話のバイブレーションの音が流れます。ご了承下さい。

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上田慎一郎『カメラを止めるな!』①

上田慎一郎『カメラを止めるな!』 20180902①.mp3 2018年9月2日定例読書会録音。今回はいつもと趣向を変えて映画の話をします。題材はこの夏ブームとなった上田慎一郎『カメラを止めるな!』でございます。計4回ほどの配信になるかと思います。 あらかじめ述べますと、思想的な話というよりは実際映画を鑑賞した感想を述べることに終始する配信になるかと思います。その上で、「このブームは一体何なのか?」という話に繋げていければとも考えてます。 初回は私やしまだだーよさんが劇場でこの作品を観た際の感想、周囲の評価、そして上田慎一郎監督の話を中心に語っております。

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ジョルジュ・ソレル『暴力論』③

ジョルジュ・ソレル『暴力論』 20180225③.mp3 2018年2月25日定例読書会録音。ソレル『暴力論』の最終回でございます。二回目の配信の通り、ソレルの言及する「暴力」はただやみくもなものではなく、権力を有した存在の理不尽な強制力に対抗する「道徳の孕んだ」暴力ということになります。 そのためソレルの提唱する暴力は必然的に「階級闘争」という形となります。社会主義の勢いが増す時代状況の中で、ソレルの暴力論は広い支持を受けました。それと当時にこの過激な題名の本は、政治的にミスリードされた側面があることも否定できません。ムッソリーニは『暴力論』を寝室に持ち込むほど愛読したことで有名です。また、「社会主義を助長する」という名目から、戦中の日本ではこの本を読むこと自体も禁止されていました。 本文の中でもアリストテレスの「中庸の思想」というのが取り上げられていますが、言葉で言うほど中庸という態度を取るのが難しいということを実感できるかと思います。

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