ジョルジョ・アガンベン『開かれ 〜人間と動物〜』②

ジョルジョ・アガンベン『開かれ 〜人間と動物〜』20180325②.mp3 2018年3月25日定例読書会録音。アガンベン『開かれ ~人間と動物~』の二回目でございます。 今回はアガンベンの思想の傾向性、そしてアガンベンの本を読む上で注目すべきターム(「ホモ・サケル」、「剥き出しの生」、「例外状態」)や影響を受けた思想家(フーコーの生政治、カール・シュミットの例外状態に関する論考)などのお話をしております。これらの考え方をまずは踏まえていくと、今後の議論の理解も深まるかと思いますのでぜひご聴取下さいませ。 ※録音環境の都合で若干ノイズが混じっております。ご了承下さい。

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ジョルジョ・アガンベン『開かれ 〜人間と動物〜』①

ジョルジョ・アガンベン『開かれ 〜人間と動物〜』20180325①.mp3 2018年3月25日読書会録音。今回よりジョルジョ・アガンベンの『開かれ ~人間と動物~』を四回に渡りお届け致します。 哲学書は難解な内容のものが多いものの、アガンベンの思想・文体というのはその辺りがより顕著なものが多いように思われます。それは美学から政治哲学に入ったというアガンベンの特殊な経歴、そして古典から現代哲学、美学から生物学や医学まで領域を網羅し、それらの領域を縦横無尽に駆ける圧巻な分析に依るものでもあるでしょう。哲学書でありながら哲学を超越しているものが、アガンベンの著書には垣間見れます。 本書はユダヤ教の聖書に載った絵画に存在する頭の動物化した義人の存在に注目するところから考察が始まります。アガンベン曰く、「頭の動物化しているこの存在からは人間の在り方そのものが表出されているのではないか?」と。これも美学から出発したアガンベンのなさる着眼点です。そしてその問題提起が政治哲学の問題へと繋がって行くというところにも彼の慧眼が垣間見えます。 初回はアガンベンの人となりや「そもそもこの本は何を問題化しているものか?」ということへの言及、そしてアガンベンの思想の基本タームなどに関してお話を展開しております。 ※なお、本著の内容には一切関係ございませんが、マザー・テラサワがオフィス北野退所直前に録音したものでその辺りの事情に触れている部分が多くなっております。その点ご理解いただいた上…

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