マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』③
マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』20190127③.mp3
2019年1月27日定例読書会録音。マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』の三回目でございます。ガブリエルは単一の「世界」というものを想定する世界像から距離を取ります。そして存在するのは、様々な捉え方のアプローチで解釈された緒事物(これをガブリエルは「対象領域」という言い方をしております)の集合であるということになります。「世界が存在しない」という独自のテーゼもこの考え方に由来する訳です。これは自然科学的カテゴリーの支配的な状況におけるガブリエルなりのアンチテーゼでもあると思われます。「単一な世界」という発想に捕らわれている限り、多様な思想を容認する契機は失われ続けるということを考える回となっております。