カミュ『ペスト』④




2020年3月7日定例読書会録音。カミュ『ペスト』の最終回でございます。ペストによって封鎖された街「オラン」。ペストという災厄は確かに不条理で、人間の事情に対する顧慮は無く、時に残酷に、時に滑稽ですらある形で人間の運命に降りかかっていきます。そして封鎖直後と時間が経過した後からは、街の人々の関係性や個々の精神に変化が起こります。カミュが描いているのは不条理であると同時に、この不条理に向き合い、横並びの人々と困難に立ち向かう「連帯」の可能性でもありました。

この読書会が開催されたのが3月7日で、この録音をアップロードしたのが4月22日。この間たったひと月半です。わずかな時間ですが、新型コロナウイルスの影響により世界の在り方も私たちの生活の在り方も、根本的に異なるものになってしまいました。そして「異常」が「日常」になってきつつあります。今回のペスト解説で『「~人死んだ」ということが時間が経過すると話題にすらならなくなった。ペストで人が死ぬのが当たり前の状況になっているから』という旨の箇所を聴き返した時、私自身ゾッとしました。正に現状にもあてはまる事だからです。

一介の芸人としてこの状況には何とも無力ではありますが、このPodcast配信で、あるいは種々のライブ配信などで笑いや思想的見解は提供したいと思っています。もしそれらを聴いていただける方がいれば私自身がとても救いになりますし、それが誰かの気休めになっていれば望外の喜びでもあります。










ArtWork

この記事へのコメント