町屋良平『1R1分34秒』③

町屋良平『1R1分34秒』③20190407.mp3 2019年4月7日定例読書会録音。町屋良平『1R1分34秒』の三回目です。主人公が「目標を定められない夢追い人のボクサー」であることは既にお話ししましたが、この小説は脇を固める人物達もそれぞれに似たような存在となっています。ある種アパシー(無気力)に陥っている人間同士が集まると一体どういう事が起こるのかということをこの小説は見事に描いていると思います。テラサワ自身も語りつつ、他人事としては捉えられない描写が多々ありとても複雑な気持ちになりました。この辺りは自分の経験談も若干話しております。 また、後半ではこの作品の重要人物である「ウメキチ」というトレーナーにも言及しています。他者に憐憫も嫉妬も無い、そもそも他人に興味の無い主人公の感覚に、ウメキチは介入していきます。ある種他者との交わりという意味での「経験の欠如」に陥りがちな現代人が他者と交わることがどういうことかを描こうとしている作品とも捉えられることが分かってくると思います。

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町屋良平『1R1分34秒』②

町屋良平『1R1分34秒』②20190407.mp3 2019年4月7日定例読書会録音。町屋良平『1R1分34秒』の二回目です。今回はボクシング小説である本作品を書くにあたり筆者が意識した点、そして作品の主人公を取り巻く状況について説明していきます。夢追い人の苦しさというものが如実に分かる回です。

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町屋良平『1R1分34秒』①

町屋良平『1R1分34秒』①20190407.mp3 2019年4月7日定例読書会録音。今回より町屋良平『1R1分34秒』をご紹介します。2019年に芥川賞を受賞した作品です。話題性の観点から考えると紹介する時期を逸している部分は否めません。ただ聴き直すとこの作品は「夢を追いながら目標を失いつつある人」に向けて訴えるところのある内容であり、私を含めた売れない芸人、もしくはコロナ禍の今の状況で方向性を見失っているような人に対して響くところも多いのでは無かろうかと判断しアップロードすることにしました。 初回は作者・町屋良平さんのことに焦点を当てて語ってみます。また、この年芥川賞を同時受賞した『ニムロッド』にも触れつつ語っています。(『ニムロッド』についてはこちらのPodcastでも過去に配信してますのでご参照下さい)

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